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プロレースの世界(その2)
ロードレース自体がビジネスなら、プロチームはもう企業みたいなものである。
もちろん、情熱を持って選手を育てている人はいっぱいいる。
だけど、お金の話になると、これは全く別になっている。
「プロになりたいのだったら、金を払え」くらい言う人はざらにいる。

金を払うというのはどういうことか。
今、選手の最低年俸というのは、各国の車連の枠を離れてUCIが定めている。
よかろう。その選手には賃金は支払われる。
ただし、入る前にスポンサーを見つけて、あるいは自分で作って、その賃金以上の金を持ってこい、ということだ。
こうしてプロになる選手はたくさんいるし、それで成長していく選手もいる。
また、そこまでしたくないということで、アマにとどまる選手もいっぱいいる。
先日、空港からレース会場にいっしょにいったメカニックは優秀なアマだったけど(日本の国際レースでも優勝している)、後者を選んだと言っていた。
僕はミラノにいるけど、自分の周辺の選手でそうやってプロになったり、あるいは現役を続けているのは少なくないし、監督になるのにですら同じ例がある。

それから、某チームの監督をやっているAは、世界選手権でチームの選手を優勝させた立役者の一人だった。
ところが、次の年にどこのチームとも契約できなかった。
彼は新聞に
「ノーギャラだったら走らせてやるというオファーだったらいくつも来た」と語ったものだから、プロ車連のボスが「あってはならない話」だと怒っていたが、そんなのは建前であって、自転車界では普通にある話なのである。
これはまだプロツールが出来る前の話なので、当時は本当にノーギャラだったかもしれない。
また、今だったらギャラは支払われても、それ以上にチームに金を持っていかなければならない訳だから、事実上はノーギャラである。
しかも、これはドーピングとは違って、なんら規則に反することはなく、ちゃんと合法的なのである。

それから先日、日本にイベントがあったのだけど、来る選手が直前でキャンセルとなった。
探ってみると、どうやら、選手に直接行くはずのギャラがチームに入ることになってしまい、選手がそれだったら行かない言ったらしいのだ。
代わりに来た選手も同じ待遇、つまり彼のギャラはチームマネージャーの懐に入った訳である。

そして、忘れられないことがある。
ある世界チャンピオンがチームと契約したにもかかわらず、そのチームにスター選手が急遽入って来たために契約が破棄されて、チームマネージャーを訴えた事件だ。90年代のことだ。
そのことについて、自転車の歴史に残る大スターと食事しながら聞いたところ、彼はこう言ったのだ。
「で、その世界チャンピオンがどれほどの実力よ」と。
たしかに、成績から言えば、あとから入って来た選手の方が上で有名だった。
契約がどれほどのものよ....ということである。
当時は本当にこういう世界だったのだ。

こうすると、チームマネージャーは社長さんである。
小さなチームだと、来年の継続はまったく見えない自転車操業、青息吐息というのも数多いが、有名チームのマネージャーの稼ぎは、相当なものである。
モンテカルロに住んでます、フェラーリに乗っています、というのもいる。

持ち駒、つまり良い選手を抱えているチームマネージャーが、
「この選手をレースに出すから、条件を良くして欲しい」とオーガナイザーに交渉するくらいは、誰でも考えるだろう。

プロスポーツの世界に同じ例はたくさんある。
ビジネスという観点から見れば、普通のことなのかもしれない。
とにかく、プロの自転車の世界は、運動会ではないということだ。

(明日に続く)
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