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ミラノから
トラックの世界選手権から帰ってきたら、なんだか喉がおかしい。
「あれ、もしかして風邪?」と思っていたら、翌日から鼻水とくしゃみが出るようになった。
マンチェスターではなにも無理していないのに(ああ、仕事はものすごくハードだったけど)、これはやっぱり野菜と果物をほとんどとれなかったことが原因じゃないかなあ。
でも今日はミラノに出て写真エージェントの友人と食事してきた。朝に風邪薬をのみ、食事でビールを2杯飲んだらすっかり眠たくなった。

トラックの世界選でガゼッタの締め切りが早くなったと思ったら、4月1日からフォーマットが小さくなり、日本の夕刊フジくらいの大きさになって、写真がオールカラーとなった。
そのガゼッタは今、ヴァレンティーノ・フォイスの死因を連日大きく報道している。
今シマノにいる阿部と1996年にパナリアに入った。
ただし、このパナリアはチームの母体で言えば今のランプレにあたる。
パナリアは翌年マペイと合併し、本当にスーパースター揃いのチームとなる。
このとき僕はミラノの中央(今はジロ最終日のプレスルームとして使われている)で行われたチームプレゼンテーションに行ったけど、ブーニョ、ムセーウ、ターフィ、バッレリーニ、トンコフ、ザニーニ、スティールス、それからヴァンデンブルック…。こんなすごいチームは少なくとも僕がこの仕事を始めた後にも先にもなかった。この中に翌年に世界チャンピオンをとるスイスのカメツィントもいたけど、隅の方で小さくなっていたくらいだ。ここに阿部とフォイスがいたのである。
フォイスはアマのときにたしか沖縄のレースに来ており、そのあと僕に「また日本に行ってみたいから、出場方法を教えてくれ」と言っていた。
だけど、その後は薬物中毒者となり、去年は新聞社にコンピューターを盗みに入って逮捕されている。
代理人をやっているトンコフの助けで今年6年ぶりにアモーレ・エ・ヴィータから復帰した。
それが先日、自宅で遺体で発見されたのだ。
死因はまだ分からないけど、コカインの過剰摂取か、自殺との見方が強い。
選手時代から高級車を次々と乗り換えるなど、はちゃめちゃな人生だったけど、その顔をずっとプロトンで見ていただけにとても残念だ。
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