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出国準備完了
ヨーロッパに出かけるまでまだ10日間ほどあるけど、準備は終わった。
そのメインイベントは機材の入れ替えだった。
キヤノンのボディを2台、新規導入したのだ。
そんな気持ちは当初まったくなかったのだけど、オーストラリア、そしてカタール&オマーンに行ったときに、海外の新聞や通信社の連中から良い評判を聞いたのが原因。
加えて日本のキヤノンからも良い条件を出していただけたので決断した。
これまでの操作と変わっていないので、説明書を読むことはあまりなく、セッティングはあっさりとできた。
このあとテストしていって、自分の仕様を固めて行きたい。

これまで使っていたボディ2台のうち、1台は手元においておいたが、1台は売却した。
都内の店を3軒回っていちばんいい値段を出してもらったところに引き取ってもらった。
レンズを売ったことはあったけど、ボディは実は初めてだった。
びっくりしたのは最初の店で、カメラを見ただけで一発でプロカメラマンと見抜かれた。
僕はカメラを比較的丁寧に扱うので、よくある他のプロカメラマンの傷だらけのものとは大違い。にもかかわらず、である。
「手の脂なんかありますからねえ」と、対応してくれたおじさんは言っていた。

まあ僕も専門家なので、思い当たる節はある。自転車レースに関して言うと、立つ場所やレンズなんかを見るだけで、だいたいどんなものが撮れるのか、おおよその予想はつく。
そして、何度かその人を見ているうちに、写真を見なくても、だいたいの実力が分かってしまう。
それを考えれば、同じようなことか。

自転車も同じかもしれない。以前インターネットで調べものをしていて、マニアックなことが書かれていて「おっ」と思った。
でも、その人の乗っている自転車の写真を見たら、チューブラーをテープで巻きもせずに折り曲げて、シートピラーにストラップでだらしなくつけていたので、その先を読むことはなかった。
関空に到着
関空に到着
カタールとオマーンでのレース取材を終え、今、関空に着きました。
カタールは毎年レースで行っているし、4年前にはアジア大会の取材でも行っていますから、もう感激はあまりありません。
しかし、オマーンは行ってよかったと思います。田舎の山岳地帯の光景は、これまで行った国にはないもので、新鮮でした。
帰りの飛行機は選手たちが大量の機材を持って乗って来たので、チェックインするだけでも大変。
おまけに、ドーハでの乗り継ぎ時間がほとんどなく、荷物を詰め込めなかったということで、結果的にロストバゲージ。
明後日、自宅に送られてくるそうです。

それと、今回初めて飛行機の中で圧力ソックスというやつを使いましたが、足がむくまず、これは使えます!

あと、自分の大記録を更新したのですが、3週間の滞在でアルコールを飲んだのはわずか一回。奢られたビールを夕食でいっぱいだけ飲んだのですが、とにかく、これだけ飲まなかったのはすごい!自分自身をほめたいです。

写真は、毎日運転してくれた元プロ選手のウイリー。バイクはハーレーで、乗り心地は良かったです(ただし、レース向きではありません)。
これから第5ステージ、今日も快晴
これから第5ステージ、今日も快晴
連日、快晴のオマーンからです。
サングラスかけていないと目がやられるくらいに強烈な光が降り注いでいます。

昨日は朝6時半に朝食。
7時半にクルマでホテルを出て、3時間半かけてスタートに到着。すでにスタートの30分前でした。
ところが選手たちはまだ誰も来ていない。
軍用機で飛行場に着いたものの、バスの手配が遅れたのが原因らしいですが、とにかくスタートが1時間半も遅れました。

だけど、前日に続いてまるで火星の中を走っているような絶景でした。
自転車をやっていなければまずは見ることがない光景で、この仕事に就けて本当に良かったと思いました。

昨日のゴールはオーストラリアのトラック・オムニウムの世界チャンピオン、ハワードが世界の強豪スプリンターを蹴散らしました。
その勝者をゴールラインで驚きの表情で見上げるベンナーティの写真がガゼッタに出ましたが、タイトルは
「だれ、こいつ?」
まあ、いつも笑わせてくれます。

写真は火星を走るプロトン。
移動が大変
移動が大変
ツール・ダウン・アンダーやツアー・オブ・カタールが選手や関係者から喜ばれているのは、一つのホテルに泊まって各ステージを走ることができるからだ。
そのホテルもいいし、すべてがよくオーガナイズされている。
このツアー・オブ・オマーンも、さすがツール・ド・フランスを運営しているところがやっているだけにとてもいいのだけど、毎日のステージの移動がものすごく大変。
昨日はゴールからホテルまで2時間かかったせいで写真の整理ができず、朝3時に起きて再開し、今やっと終わったところ。
今日のゴールからも1時間以上かかりそうだし、明日は恐怖の「スタートまで300キロ、帰りが200キロ」という前代未聞の移動だ。スタートに行くのに選手は飛行機だが、取材陣はクルマ。
自分の金ではなかなか泊まれないような良いホテルに連日宿泊させてもらっているとはいえ、だんだん疲労がたまって来たような気が。
まじめな話、自分で長年ジロやツールをよくやってきたと思った。シーズン最初だから、抵抗力がなくなっているのかなあ。

写真は第1ステージが行われたところにある旧市街。
オマーン到着
オマーン到着
カタールのレースが終わってすぐにオマーンにやってきた。
カタールと同じく砂漠の国かと思っていたら、まったく違っていて、けっこうな山国。その山も赤い土と砂が堆積したような、写真で見るアフガニスタンと良く似ている。

今日の午前中はメディアツアーがあるので、それに参加する。
モスクに入るのに、半ズボンや半袖はダメだと注意されている。
第1ステージは今夕、ナイトクリテリウムで始まる。

宿泊しているシャングリ・ラは典型的なリゾートホテル。
リッツのゴージャスさはないけど、5つ星ホテルだけあって快適だ。
問題はスカイプが使えないこと。こっちから呼ぶのもダメだし、他国から呼んでもブロックされる。
どうやら国全体で使えないことになっているらしい。

今日はパンターニの命日。6年前の今日、モスクワでトラックのワールドカップを取材中に亡くなった。

写真はカタールでのもの。
ツアー・オブ・カタール最終日
ツアー・オブ・カタール最終日
カタールと言うとすごく暑いというイメージを持たれがちなんだけど、実際に来てみると、そうでもないことが分かる。
日常は半袖でいいけど、オートバイに乗るとなると、長袖が必要だ。
でもここ数日は天気がよくて、今日は半袖でオートバイに乗る予定。

こんなカタールも最終日で、今日でお別れ。
レース終了後、すぐに飛行機でオマーンに移動する。
リッツカールトンのゴージャスなサービスは名残惜しいけど、どうやらオマーンであてがわれるシャングリ・ラは輪をかけて豪華らしい。
とっても楽しみ!!

今日のガゼッタには笑った。
ポッツァートがスタート前に日光浴している写真が出ていて、横にボーネン2勝目の勝利の写真。
そのタイトルが
「ポッツァート日光浴の間にボーネンが2勝目」
昨日、ポッツァートからクルマの話を聞いたので、3月20日発売のチクリッシモに掲載する予定だ。笑ってしまうページになると思うけど、今日のガゼッタを見たら怒るに違いない。
カタールだより
カタールだより
一昨日からの2日間、ホテル内のレストランが変わって、良いところに変更となった。
食事の内容も一段とアップし、なんと鮨まであるではないか。
中東で鮨を食べるなんて、なかなかできないこと。
でも、今日からまた元に戻った。
とはいえ、ゴージャスなホテルだからなんの不満もなし。

あてがわれている地元のオートバイは、ウルトラ・スポーツタイプで、見た瞬間にひいてしまうカメラマンもいる。
でも僕は何年もこれでやってきているし、写真のぶれも、思ったほどはひどくない。
ところが、後ろの座席の位置がとても高いので、乗り降りが大変。今日はかなりの筋肉痛で、朝はこの痛みで目が覚めたほど。
それに、サングラスをかけていなかったから、紫外線で目がまっ赤になってしまった。
カメラメーカーにお願いしたいのは、こうした砂漠や雪の上でサングラスをかけてもファインダーの表示がはっきり見えるものを出して欲しい。

さて、ご存知の方も多いと思うけど、イタリア・ナショナルチームの監督フランコ・バッレリーニが趣味のラリーに出場中、壁に激突して急死した。
僕が知ったのは一昨日の第1ステージの表彰式のあとだった。
1990年に宇都宮でキャプーチやレッリ、それからこのバッレリーニがカメラを買うのにつきあって以来の仲で、現役を退いて監督になってからも、撮影にはいつも協力してくれた。
今日のガゼッタも、レキップのサイトも僕の写真を使っているけど、そうしたものを見るとますます撮ったときのことが思い出されて、死んだことが本当に信じられない。

写真は昨日の第2ステージのスタート前。バッレリーニの“生徒たち”が前に出て、1分間の黙祷を行った。
これが小さな出会いというのか
アデレード空港で機内持ち込み荷物が重量オーバーで、外套に着いているポケットの中にカメラやレンズを入れて難を逃れた話を書いたけど、実は関空でもおなじことをやった。
ところが、パリから来た連中は、重量を量られなかったという。僕の航空券にも彼らのものと同様に「カタール・サイクリング」と特別なプリントがされていたにもかかわらずだ。

さて、昨日はレースがない日。女子が帰り、男子選手が入って来た。
今回は大会のクルマの運転手らは別のホテルなんだけど、幸いにして報道陣は例年通り選手と同じホテルだ。
夕方にプールで泳ぎ、そのあとサウナに行くと何人かの選手がやって来た。
ボーネンともお互い素っ裸でばったり。
追っかけファンだったら卒倒するようなシーンだ。

それから今回は選手たちも部屋でインターネットが無料で使えるらしい。
選手のパソコンの共有ボタンにチェックが入っていると、こちらのサイドバーにそれが表示される。
選手の中にもMacの愛用者が少なくないので、それがいくつも表示されることに。
「おお、この選手も使っているのか」
「ええっ、あんな厳つい顔つきなのにMacかよ」などと、新たな発見があったりもする。
「おお、こいつはMacBookなのに、あいつがMacBook Proか」といった、欧州の階級社会における断層も垣間みられる。

おっと、こんなバカなことをやっている場合じゃない。
山のような原稿書きをやらねば。
ドーハにおります
ドーハにおります
カタールに来て3日が経過。日本との時差は6時間あるので、まだ時差ぼけしている。朝は4時に目が覚め、夜は9時になるともう眠たい。

リッツカールトンのベッドは最高で、こんなに気持ちのいいものは他のホテルにない。
しかも、今年は部屋の中のインターネットが無料で使えることになっていて、快適な環境で仕事できる。
でも椅子がオフィスワーク用ではないので腰が痛くなる。
その点、ツール・ダウン・アンダー(あのレースの名前はツアー・ダウン・アンダーではないので注意)で宿泊するアデレードのヒルトンは、僕も書斎で使っているハーマンミラー社のアーロンチェアで、最高に良かった(秋葉原のリビナ・ヤマギワで買いました。よかったらどうぞ!)。

初日と2日目はプールに行って泳いだけど、昨日は砂漠の国としては珍しくじめじめとした空気で、しかも強風。
おまけに女子のレースは展開に乏しいので、レース後はぐったりと疲れて、そそくさとベッドに入った。
本日出国
オーストラリアから戻ってあまり時間が経っていないのですが、今日の夜の便でカタールに行きます。
ツアー・オブ・カタールの取材です。
このレースのなにが好きかと言えば、ホテルがリッツカールトンだからです。正規料金は1泊あたり10万円近くします。部屋の石鹸がブルガリだったりします。
お土産にもって帰ると、人気者になれます。

それが終わったらオマーンに直行し、今年初めて行われるツアー・オブ・オマーンの取材です。
こっちのホテルはシャングリ・ラだそうで、これは未だ泊まったことがありません。
これが終わったら....素直に日本に戻ります。
が、2月21日にインドのムンバイで新しいレースがあって、エディ・メルクスとサクソバンクが行きます。招待があれば、一回は行ってみたいのですが。インドはまだ行ったことがないのです。
でもオマーンには初めて行きます。イスラムの国にしては珍しくアルコールが飲めるらしいので、気が楽です。その辺、実情を見て来ます。